HM55Bの製造再開に貢献したい。 ニーズ,活用を呼びかけよう。

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ラグビーセンサでは,日立金属製の方位センサHM55Bを使用している。

このセンサは,2007年の秋に,製造中止という通知を受けたので,ぜひこのセンサを活用する商品を開発する仲間の出現を期待する。
方位を計測するセンサとしては十分な機能と性能を有している。 このようなセンサが,活用できなくなるのは極めて残念だ。みなさん
再び,日立金属さんが製造を復活できるよう,商品企画そして息の長い製品を提供していきましょう(ゲーム機は,一過性ですので,シリーズを考えての商品が欲しいです)

最初に,回路図を示す。

図1.HM55B回路

HM55Bのブロック図を示す。
   ピン結線法:: 使用回路図を示したが,メーカが提供している資料を次に示す。
ピンNo. ピン名称 I/O 機能
NC ---
2 NC ---
3 内蔵動作電流設定用抵抗端子,100kΩ(±1%)の抵抗をアナロググランド間に接続してください。
4 AGND グランド アナロググランド
5 TMC I テスト端子に付きGNDに接続してください。
6 Din I シリアルコマンド
7 Dout O シリアルデータ
8 DGND グランド デジタルグランド
9 DVcc 電源 デジタル 正電源端子
10 CLK I データ伝送用シフトクロック
11 CSB I チップセレクト信号
12 MON1 I テスト端子に付きGNDに接続してください
13 MON2 I テスト端子に付きGNDに接続してください
14 AVcc2 電源 アナログ正電源端子
15 AVcc1 電源 アナログ正電源端子
16 NC ---
5,12,13ピンのテスト端子は,グランドに接続してくださいとのコメントに従い,デジタルグランドに接続した。
最大絶対定格: 最大定格を超えてセンサを使用した場合,永久破壊となることがあります。また,通常動作では電気的特性の条件で使用してください。この条件を超えるとセンサの誤動作の原因となるとともに,センサの信頼性に悪影響を及ぼすことがある。
No. 項目 略号 定格 単位
1 電源電圧 AVcc/DVcc -0.3〜+6.7 V
2 端子電圧 Vin -0.3〜AVcc/DVcc〜+0.3 V
3 動作温度範囲 TOPE -25〜+85
4 保存温度 TSTG -40〜+95
5 最大許容損失 P 126 mW
電気的特性:        (Vcc: 2.7←→3.3V ,Ta: -20か←→+85℃)
項目 記号 測定条件等 Min. Typ. Max 単位
動作電源電圧 VCC 2.7 3.0 3.3 V
測定時消費電流 ICC1 --- 9 13 mA
待機時消費電流(1) ICCst(1) Ta=-20℃-+60℃,VCC=3.0V --- --- 1 μA
待機時消費電流(2) ICCst(2) Ta=+60℃-+85℃,VCC=3.0V --- --- 5 μA
周期平均消費電流 ICCave 100ms周期で測定 --- 3 5 mA
測定時間 Tmes --- 30 40 ms
磁気感度 Bse Ta=25℃,VCC=3.0V 1.0 --- 1.6 LSB/μT
測定磁界範囲 H Ta=25℃,VCC=3.0V,F.S.=±180μT -180 --- 180 μT
直線誤差 Iinia Ta=25℃,VCC=3.0V -5 --- 5 %/FS
低レベル入力電圧 VIL -0.3 --- VCC×0.2 V
高レベル入力電圧 VIH VCC×0.8 --- VCC+0.3 V
低レベル出力電圧 VOL VCC=3V,IL=1mA -0.3 --- VCC×0.1 V
高レベル出力電圧 VOH VCC=3V,IL=-1mA VCC×0.9 --- VCC+0.1 V
電池駆動などで使用する場合,下図に示す100ms平均電流についてで,5μsで45mAのピーク電流が流れる。2つあるのはX軸とY軸のセンサに流れる電流だ。
電流と電荷の関係は, I(t)=dQ/dt から, Q=45×10-3×5×10-6=225×10-9[C]の電荷を必要になるので,センサに提供する電荷をコンデンサで蓄えておくことが必要となる。 Q=CVの関係式から,コンデンサの容量はC=75×10-9=0.675uF,測定時間全体では,Qm=9×10-3×30×10-3=270×10-6[C]がほとんどの電荷量となるので,コンデンサの容量は,C=90uFである。 アナログ電源とデジタル電源に47uFの容量のコンデンサを付けた。

コマンド仕様
終了フラグ
エラーフラグ
インターフェース仕様
コマンド仕様
 1   2   3   4  動作モード
0 0 0 0 リセット
1 0 0 0 測定開始
1 1 0 0 読み取り(データ読み込み,終了フラグ確認)
0 1 0 0 -----
終了フラグ
  終了フラグ     状態説明  
”00” (1)測定中
(2)リセット時
”11” 測定終了時
”01” ”10” 未定義
エラーフラグ
エラーフラグ 状態説明
”00” (1)測定正常終了時
(2)リセット時
”11” (1)A/Dオーバーフロー時
”01” ”10” 未定義

リセットコマンド
測定開始コマンド
READコマンド1
READコマンド2
タイミング詳細
入出力(I/O)タイミング
次に,センサから測定データを読み取るためのコマンドについて説明する。
(1)リセットコマンド --- 初期化やエラーが発生した場合に使用するコマンドだ。
(2)測定開始コマンド --- 測定時間に30ms〜40msを要するので,この命令のコマンドはこの測定時間より長い周期で発行することが肝心である。 ラグビーセンサでは,100msecの周期としている。
(3)READコマンド (終了フラグのみ) --- 測定が終了したかどうかを確認したり,その結果の状態を確認するために用いる。CSB信号をHighにすることで,センサからの測定データは伝送されない。 センサの状態を知るために用いる。

(4)READコマンド(終了フラグと測定データ) --- センサで測定されたデータを読み取る。 X、Y方向の測定データが11ビット長でMSBファーストで得られる。 終了フラグとエラーフラグの確認により,測定データの取り込み,または破棄し,次のアクションを決める。 健全なデータが得られた場合は、測定周期とリンクしたタイミングで,測定開始コマンドを送付する。 エラーが発生した場合は,リセットコマンドを送付してから,測定開始コマンドを送付する。


入出力(I/O)タイミング(詳細)
センサを動かす上でのACタイミング仕様は,下記の通りである。特徴的なことは,クロック周波数が最大5MHzを保証していることだ。 ラグビーセンサ2007では,このため,MPUのI/Oピンを直接操作して,高速にデータを読み取っている。
Item Symbol Min. Typ. Max. Unit
CSB-CLK margin(1) TCS 30 - - ns Test Conditions
(1) Ta = 25℃
(2)Vcc=2.7V-3.3V
(3)Load of Output = 30pF
(4)input ViL=0.2V ViH=Vcc-0.2V tr=10ns tf=10ns
(5)CLK Frequency=1MHz Duty=50%
CSB-CLK margin(2) TSC 100 - - ns
CLK-Data setup time Tdb 30 - - ns
CLK-Data hold time Tdc 30 - - ns
CLK-Data delay time Tdd - - 40 ns
CSB margin Tde 100 - - ns
CSB-Data delay time Tdf - - 30 ns
CLK high time TWH 100 - - ns
CLK low time TWL 100 - - ns
CLK frequency fclk - 1 5 MHz