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方位情報の導入 静止時のFMのiを,Σ座標系でx軸方向(北)から角度γを向くように定義する。 (tanθx sinθx+cosθx = (sin2θx+cos2θx)/cosθx=1/cosθx) γ=0の時,(3.4)式と一致する。 E0 = { i j k} (3.4A) となる。 方位情報を使って,グランド座標において,加速度・速度をプロットするとき,また、その方向情報しての移動方向を表している。 姿勢の計測は,方位センサの情報を利用して,x軸方向の絶対方位を付け加える。 2軸の方位センサであると,θHは計測できない。従ってラグビーセンサでのセンサー座標系では,i軸方向の信号とj軸方向の信号の正負の値とその比で,γ,δ角を求める。 方位の的確な値を計算するには,静止状態で,かつkベクトルが重力加速度gとのなす角度が小さいときの値を利用する。 (ラグビーセンサを人体に取り付けた後に,直立の姿勢で,360°ゆっくり回転する計測をプレイするグランド内で実施することで,グランドでの方位校正が実施され,方位の情報を精度良く計測できる。 1回の回転より,連続して2回回転することで,校正のイベントが自動的に読み出せることもできる。 方位コンパスを使用する際の注意点としては,”N(北)極の偏西という事情を考慮する。 その土地柄の地磁気狂いという現象があるために,実は磁石が示すNは真北ではない。 日本においては磁石はわずかに西よりに偏る。 沖縄は4度,北海道は9度,関東・東海・関西は6度である。 本州本土の大部分は大体6度〜7度,偏西している。 東京では,ほぼ6度であるから,北と算出した方向から方位を東に6度分ずらして座標系を記述する。 選手の移動中のFMの誤差は,ジャイロセンサによる角速度積分によって引き起こされるが,方位センサが3軸で計測されると,移動中でも,地磁気の方向からの姿勢を計算することで,ジャイロセンサからの信号を補正することができる。 (つまり、走行中でも,姿勢を算出可能である) しかしながら,ジャイロセンサの信号から角度算出の精度に,多少のゼロ点ドリフトがあっても,移動が終了し,静止状態(立っている状態)が再び,検出できるので,すなわち,重力加速度および,地磁気の方位から,正確なFMを推定できる。 そこで,最初の静止状態から移動状態,そして静止状態へのFMが連続的につながるようになる。 この間に発生するジャイロセンサの時間積分結果を,静止状態のところで補正することにする。 この走行中の誤差の蓄積は,次に示す消去方法を採用する。 走行中の誤差の蓄積は,時間積分であるから,小さな加速度のDC成分は,時間と共に大きな値になり,積分した値は,リーズナブルな値とならない。 これを避ける方法は,走行中(ある一定以上のピッチ走行が見られる部分)期間で無いところでは,時間積分を実施しない,あるいは,加速度成分をゼロとするなどの,補正を実施する。 |
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角度θeのノイズ除去 下図にしめしたように,最初の静止状態から,n=N番目に再び,静止状態になったとき,それぞれの姿勢角を求めることができる。 ジャイロセンサ信号からの時間積分して計算された角度変化θと最初と最後の静止状態での角度変化分との差が角速度計算からの誤差であるから,この補正方法を次に示す。 n=Nのとき、最初の静止状態からE0から角速度ωの積分により得られた変化角度によるENが得れたところから,最後の静止状態から得られたE’Nとの差が角度θeとして得られる。 静止状態から誤差を含んだENからE'Nの差異をベクトルωeの周りにθe回転させる等価回転マトリックスと考えて、次式で修正する。 E’n = RωeθeEn (3.18) ここで,Rωeθeは,EnからE’nへの等価マトリックスである。ここで,n=Nのとき,誤差を含んで計算してきた経路の結果のEnと静止条件の姿勢E’nからRωeθeを求めると,次のように表される。 Rωeθe = E’nEnT このRωeθe の各成分から,ωe(λe,μe,νe)とθeは次式から求める。。 ただし, である。 途中経過(歩行,走行)の補正は,最初の静止状態の時刻からのサンプリング数をn,次の静止状態までのサンプリング総数をNとすると, nサンプリング時の修正されたFMは次式のように表される。 E’(n) = Rωeθn E(n) (3.24) θn = n θe/N 以上の方法により、誤差の蓄積を排除した結果の座標変換によって,サンプリング毎の加速度,角速度を算出する。 この処理により,グランド(固定)座標から見た加速度を導出することができる。 この表現(座標系)では,横軸を時間軸とすると,X軸では,上,下→,北,南に,Y軸では,上,下→西,東に対応させたことを表示して,グランド座標に変換した,物理量であることを明確にする。 |
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静止場所の特定方法 センサー座標で,静止条件の候補となった時間の近傍には,走行から歩行へ移行し,あるいは,姿勢の変化後を含んだ後に,停止条件が検出されるはずである。 停止条件と見なされた時点からは、姿勢の変化後に,歩行そして走行,または走行へ移行している。 歩行,走行のパターンが発生することなく,再び姿勢の変化が続き,静止点と判断できた静止条件が現れる。 ここでの提案は,歩行,走行パターンが見えていない時間帯では,姿勢の変化あるものの,一定の角速度で回転している,時間帯では,姿勢の計算を実施し、その質点の運動は,停止と見なせる,数値の大きさであり,歩行,走行に結びつけることのできる姿勢を求めることが,走行中の姿勢をより精度良く確定できる重要な,作業となるでしょう。 しかしながら,質点の移動が少ない時間帯でも,姿勢の計測の主役は,角速度である。この角速度(すなわち,姿勢の変化)が大きいと,姿勢を求める重力加速度成分に向心力という慣性力が加わり,姿勢誤差が発生する。 角速度は計測できるが,その回転半径は,身体のおへその下に装着しているとの仮定の下でも,推定することは難しい。 従って,この向心力は,無視できる大きさの角速度のときに、静止姿勢として求めるが, 方位センサーから求めれるグランド座標への結びつきのために,重力成分の殆んどが,Z軸にあるときにする。 すなわち,転倒しての静止状態は,速度としてはゼロと断定できるが,向きを決定することができない姿勢であるから,活用できる静止状態に,2種類あることになる。 積分誤差の除去方法 加速度α=a−gがゼロ,角速度ωがゼロのときは,ラグビーセンサを装着した選手(剛体)の速度vはゼロと仮定して良いだろう。 α = 0 and ω = 0 → v = 0 (3.25) 時刻 t のとき,加速度センサによって計測された重力加速度gを差し引いた加速度αm(t)と真の加速度ar(t)との関係が次の式で表されるとする。 αm(t) = ar(t) + ae (3.26) ここで,aeは計測誤差である。 上図のように,αm(t)のX0 軸成分の積分によって求めた速度をvm(t),歩行・走行期間の継続時間をT,積分によって得られる歩行・走行終了時の速度をVeとすると,真の速度Vr(t)は以下のようにして求める。 X0軸での移動距離は,Vr(t)を再度積分することにより求められる。 Y0軸(西と東の方向)での移動距離も,同様に求める。 グランドの静止点位置が計測できる手段としては,GPSの情報を待つ必要があろうが,相対的な移動距離というものは既に述べた手段で求めることができるから,静止位置を適当なグランド座標に配置することで,その後の移動状態が解析され,明確になるだろう。 |
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静止点での連続性 (3.28) 静止点では,センサー座標とグランド座標との関係は(3.4A)より、求めると、(3.4)と同じように,上式(3.28)となるが,簡単のため,下図のように,静止1では,センサー座標とグランド座標のX軸は一致して,静止2でも一致しているとする。 静止1: θx = 0° ,θy = -30°,θz = 60° センサー座標で計測された,重力加速度を α1 = g・[ 0, -1/2, √3/2 ]T とすると, グランド座標では, (3.29) 同様に,静止2: θx = 0° ,θy = -60°,θz = 30° センサー座標で計測された,重力加速度を α2 = g・[ 0, -√3/2,1/2 ]T とすると, グランド座標では, (3.30) 2つの変換行列E1とE2の間で,一定の角速度で変換が行われたとすると.その変換行列は, (3.31) となる。 ここで,ω(λ,μ,ν)とθは,式(3.19)から式(3.23)から, (3.32) これから, (3.33) 求めた数値から,回転は,X軸を中心に−30°回転する回転行列であることが分かる。 静止1から,静止2への回転は上記のように1回の回転で表せることが分かる。 しかしながら,実際には,静止1と静止2の座標の回転は,式(3.15)の回転行列で,計算される行列で,実行する。 但し,このことは,サンプリング毎に演算が繰り返された結果の回転行列は,上記の式(3.31)に一致するはずである。すなわち, EN = Rωnθn・EN-1・EN-2・・・E1・E0 (3.34) = RωθE0 (3.35) のサンプリング毎に角速度の成分から計算した変換行列のω,θと,上記で計算した,静止1と静止2の変換行列のω’,θ’との差が補正すべき,誤差ベクトルωe,θeであるする。, |