ジャイロセンサの歴史 本文へジャンプ
ジャイロの機能を得る方法
@コリオリの力
コリオリの力は,ある速度で動いているものに角速度が加わると加速度が発生し,動いている物に力が作用するというものである。この力の作用によって得られる信号から,角速度を求める。
このジャイロには,ガスレートジャイロ,音叉ジャイロ,振動ジャイロなどがある。

Aサニャック効果
サニャック(SAGNAC)効果は,アインシュタインの相対性原理から導かれるもので,光ジャイロを対象としている。円,三角,四角などの任意の形状で光が旋回できる状態で,角速度が加わると,右回りの時間と左回りの時間に差が生じるというものである。この時間差を,光の周波数や干渉の光強度を検出して,角速度を求める。

ジャイロの用途
ジャイロは動く物の計測及び制御には不可欠なセンサである。
動く物の姿勢,速度および位置を必要とする装置には欠かすことができない。いままでは,航空・宇宙の分野で主に使われてきたが,最近ではジャイロがビデオカメラの手振れ防止に,自動車のカーナビおよび挙動制御に使われはじめている。
従来の「こま」式ジャイロは精密部品の固まりで扱いが難しく,高価で,寿命が短いということで,一般産業用には使いにくいものであった(機械工学的な要素が性能を支配)。 それが,圧電材料,光ファイバーといった新しい素材が利用され,さらにシリコン材を使った微細加工(マイクロマシーニング)から得られるジャイロの出現で,ジャイロの用途は,カメラ,自動車,ロボットと言った一般産業用市場に広がっている。
   ジャイロの原理
慣性とプリセッション
「こま」式ジャイロと呼ばれているものの原理である。 一般には高速回転している「こま」を想定しよう。 この「こま」を通常,フライフィールとかスピンと呼ぶ。
3軸の自由度を持つスピンを図1.1に示す。
一つの基板に3つのジャイロセンサを搭載。 一枚基板で,3軸ジャイロを校正する方法

市販されているジャイロセンサの多くは、1軸だけのものが、多い。 中には2軸のジャイロセンサも開発され使用されている。

ここでは、一基板の上に3つのジャイロセンサを搭載して、3軸の角速度を計測するセンサの校正方法を示す。

この写真は、U1が垂直方向の角速度を、U2が縦方向の軸の角速度、U3が横方向の軸の角速度信号を出力し、右側の5つのピンの内、下からVCC=3,00V、U1の出力信号、U2の出力信号、U3の出力信号、そして上部のピンがGNDである。

U4はOPアンプでローパスフィルターを校正し,それぞれ、静止状態で1.35Vを出力する。

基板は、P板.COMで製作し、西武電機さんで組み立てた。 一枚の基板で3軸の角速度を得ることができる。 3軸加速度センサ(H30CD)を使用し、MPUとしてH8/38086を用いれば,加速度センサの信号を12ビット精度で、MPUに内蔵されたΔΣ変換で14ビット精度の角速度信号が得られる。 利用したい人は、お問い合わせください。